相続人でも相続ができない場合~相続欠格と廃除(2)

前の記事では、相続人の立場
もちながらその資格を失ってしまうという
相続欠格・排除についての制度をご説明しました。

この相続欠格、廃除は、
相続人となれなくなってしまうという
重大な影響がありますから、
裁判などで争われることもあります。
相続欠格と排除について
少し細かく見ていきましょう。

本記事では、相続欠格の
民法第891条第1号について
詳しく見てみたいと思います。

民法第891条1号のケースは
法律知識が必要となる制度と言えます。

条文は「故意に被相続人又は
相続について先順位若しくは
同順位にある者を死亡するに至らせ、
又は至らせようとしたために、
刑に処せられた者」とありますが

この意味を正確に抑えるためには
厳密に条文を理解する必要があります。

まず、「故意に」とありますので、
間違って親を死なせてしまったような
傷害致死罪・過失致死罪
(刑法第205条、第210条)
のケースでは、「故意に」とは言えないので、
相続人としての資格は失いません。

逆に、殺害に及ばなくとも、
例えば殺害目的で毒薬を準備したような場合
(殺人予備罪の場合、刑法第199条、第201条)
にはそれだけで欠格事由に該当します。

つまり、
意識的に殺そうとした」事実があれば、
相続欠格になり、反対に実際に
親を殺してしまっても、
それが「過失だった」場合には、
相続ができるということになります。

さらに、「刑に処せられた」とありますので、
故意に殺害したとしても、責任能力がなく、
無罪となれば、「刑に処せられた」ではないので、
相続人としての資格は持ちます。

また判決言い渡し前に自殺をした場合には、
刑に処せられることはありませんから、
相続人の刺客は失わないことになります。
このように891条第1号は厳密な分析と
法律の理解が必要となる制度と言えます。

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