特殊な遺産(3)-居住権(賃借権)

遺産の中でさらに特殊な取り扱いがされる権利が
居住権(賃借権)です。
これは、例えば、内縁の夫婦
(事実上の夫婦として永年暮らしてはいるものの、
婚姻届を提出していない夫婦)が、
事実上の夫名義でマンションを
借りていた場合において、
夫が死亡した場合に相続人から内縁の妻が
退去を求められるというような
ケースで問題となります。

この場合、夫が保有している賃借権は、
相続人に相続されて内縁の妻は
賃借権を相続することはできません
(いくつか前の記事で書きましたが、
相続人となることができる配偶者は、
婚姻届けを出している配偶者に限り、
内縁の妻が相続人となることは絶対にありません)

このようなケースで、裁判所は、
相続人から内縁の妻への退去請求は
権利の濫用」であるとして認めませんでした。
相続人は賃借権を相続したものの、
その権利によって内縁の妻を
追い出すことはできないという判断です。

また、親と同居していた子がいる場合において、
親が亡くなった場合に、
同居している子に対して
他の相続人が家の明け渡し請求
することはできないとされています。

遺産分割協議が無事に終わるまでは、
親と同居していた子には無償で使用する権利
(使用貸借権)があるとされました。

このように賃借権は、
事案によっては
非常に特殊な取り扱いがされる遺産です。
賃借権がこのように
特殊な取り扱いがされる理由は
住居に住む権利、つまり、
居住権を保護するということにあります。

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