特殊な遺産(2)-根抵当権者の地位

非常に特殊な手続きが必要となる遺産として、
根抵当権者としての地位があります。
根抵当権とは、極度額を設定して、
その範囲で借入ができ、
その際の担保を不動産とすることをいいます。

例えば、AがBとの間で、
継続的に金銭消費貸借契約をする関係にある場合、
AはBの保有している不動産に
(例えば)500万円を極度額として
根抵当権を設定します。

すると、AとBが何回消費貸借契約、
その返済などを繰り返していても、
500万円の枠内であれば、
Aの貸したお金は担保されます。
万が一、Bが返済できなくなった場合には、
不動産を競売する手続き
(担保権の実行としての競売・民事執行法第180条)
をしてお金を回収することができます。

この例でAが死亡した場合には
根抵当権者としての地位は
Aの相続人に引き継がれます

ただAの相続人が、引き続き
この根抵当権を利用してBとの間で
金銭消費貸借の取引を続けるためには
相続開始から6ヶ月以内に
法務局(登記所)において、

①根抵当権者の変更登記

②指定根抵当権者の合意の登記

という2件の登記申請をしないとなりません。
この登記を怠ってしまうと、
Aの死亡後に発生した貸金は
根抵当権で担保されないこととなります。

このように根抵当権者としての地位は、
登記という手続きを経なければ、
引き続き利用することができないという
非常に特殊な遺産となっています。

根抵当権については引き続き
利用するかどうかということを決めて、
その上で司法書士に登記手続きを
依頼することが一般的です。

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